離乳食のタイミング ~意欲編

離乳食をいつ始めたらいいのかと、色々と悩まれているお母さんも多いでしょう。

早くしたほうがいいとなやんだり、でもなかなかきっかけがわからなかったり、

逆に、「欲しがったからあげたら食べていったので」と普通の食事を与えてしまっているという話もよく聞きます。

 

 

離乳食を始めるタイミングを間違えると、噛まずに飲み込んでしまう食べ方になってしまったり、いつまでもよだれが止まらなかったり、鼻呼吸が出来ず口が開きっぱなしのため風邪をひきやすい子になってしまったりと、望ましくない状況になってしまいます。

 

 

今回は、離乳食のタイミングを知るお子さんからのメッセージについてお話します。

 

 

お子さんの「やりたい」を見逃さないで

離乳食を始めるきっかけってどんなことでしたか?

 

 

そろそろかなと焦ってしまい、お子さんの状態をあまり考えずに始めてしまったと、成長してから後悔されている方のお話を伺うことがあります。

 

始めは、好き嫌いが多く偏食だという悩み相談から始まることが多いのですが、よく話を伺っていくと、今のお子さんの状態の咀嚼や姿勢、ひいては何かに対する意欲にまで影響していることがわかります。

 

 

興味がわかないまま、大人がスプーンを機械的に口に運び食べさせると、お子さんはきっと「食事ってそんなものだ」と理解します。

口を開けて待っているだけで、自分では何もしなくても食べられるし、ひいては何でもできると思わせてしまうので、大人が思い通りにしてくれないと癇癪を起こすという状態作り出してしまっているのかもしれませんね。

 

 

開始するのは、お子さんが大人が食事をするのをじっと見てよだれを出したり、欲しそうにした時、つまり興味を持った時がいいようです。この、大人が食べているところを見せる、ということがとても大切です。

食育の第一歩は、一緒に食事をすることですから。

 

 

スタートは10倍粥の上澄みを小さじ一杯から始めますが、スプーンを口に入れた時に舌で強く押し出して来たら、まだその時期ではありません。もう少しお口の中が発達するまで待ちましょう。

 

そして開始してからは、スプーンを口に近づけると自分から食べにくるように、急がずにお子さんのタイミングを計ってあげて下さい。

また、お子さんが食べ物に興味を持ち、手づかみを止めずに、自分で口に運ぶようになったタイミングを上手くつかんでください。

ご飯でもスープでも、自分からつかみに行くのを止めないで下さい。

その次にはスプーン、フォークを使ってみたくなって自分から握る、と進めるように。

 

 

 

はじめは上手には握れませんが、自分で収まりのいい握り方を試行錯誤しながら、学んでいきます。

そのうちこの写真のように上から握れるようになれば、また一段階先に進んだということになりますね。

 

 

五感を刺激し感性が磨かれていく

食事は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚をフル活用で体験できる、五感が成長するにはもってこいの機会です。特に触覚は過保護に食事をさせていては伸びません。

 

 

ご飯を手で握ると、ねばねば、ぐちゃぐちゃする。

手に付いたらなかなか取れない。

スープはさらっと飲めるが手について時間がたつと、水分だけ蒸発してべとべとしてくる。

触感を鍛えるためにはとても重要な経験要素です。

 

 

「汚さないで~~」とうんざりされるお母さんのお気持ちは痛いほどわかりますが、子どもの食べこぼしも、実は成長には必要な大切なものなのです。

 

気にしなくてもいいように、レジャーシートを敷いたり、食事用のスモッグなどを着せたり、汚れてもイライラしたり怒らなくて済む準備をぜひともお願いします。

 

 

そして、口の周りにつかないようにスプーンを口の奥に入れ、上顎に擦り付けて食べさせるのではなく、自分から食べに来て、顎を引いてスプーンから咥え取らせるようにすることが大切です。

口の周りが汚れても気にせず、不快な触感というのも十分に体験させてください。

 

 

口の周りが汚れている、今ご飯をこぼしたなど、様々な事が感覚でわかるようになる為には、手づかみや食べこぼしを気にするよりも、やりたいようにやらせることが一番なのです。

 

 

2024年3月11日