子どもの気になる症状を改善する対処法

こちらの回では、子どもの脳の発達の仕方について紹介しましたが、専門的な少し難しい内容でした。

今回は、それをふまえて、こんな時はどう対処するのかということを具体的な例をあげて考えます。

 

 

どうすればいいの?

以前、この園長通信で「チック」についてお伝えしました。

※チックに関するそれぞれの症状を確認した後は、その症状自体には触れないでください。

 

あくまでも「満足した→無くなる」という点から、“症状が無くなっていくかどうか”の目安として捉えてください。

そして、今まで以上に子どもの様子を観察して、その時の子どもの気持ちをとらえ言葉にして返してあげてください。

 

 

 

 

 

まばたきが気になる

<例1>

“まばたきがひどい子ども”の日頃を観察すると、失敗したことと、どうしていいかわからないことから不安になりチックが出ることが解かりました。

お茶をこぼすなどの失敗をしても、叱らずその子の思いを代弁して言葉を掛けるところから始め、一緒に片付け方をしながら飲み物をこぼした時は、どうすればいいのかを教えましょう。

 

大人「こぼしちゃったね」

子「・・・(固まって瞬き)」「・・・(泣く)」

大人「一緒に拭こうね」

子「・・・・(そうか!こうするんだ、と不安が解消)」

 

一緒に片付けられたら、できたことを誉めます。

大人「ちゃんと片付いたね。もしまた、こぼしたら自分でできる?」

子「うん!」

 

こういった動作を繰り返しながら徐々に自分で考えられるよう促し、少しずつ大人の手出しを減らしていきます。

大人「あ、こぼしちゃったね。どうする?」

子「拭く!」

大人「そうだね。失敗しても自分でちゃんと片付けられるね!」

 

 

 

 

そのうちに、お茶をこぼせば自分で雑巾を取りに行って拭けるようになり、やり方がわからないという不安の解消と共にチックも出なくなります。

 

大人がすることは、始めにやり方を教えることや一緒に処理することです。そのうちこぼしたら「雑巾はどこ?」と自分で考えられるようになります。

 

 

また、「固まってしまう」のは、反射つまり生きるための無意識の反応ですから、「反射(身体)の段階で機能する脳幹」を育む、「しゃがむ」「その場でジャンプ」などの動きをしっかりさせてあげて、十分やりきれば次の段階に進んでいきます。

 

 

言葉遣いが気になる

<例2>

“汚い言葉を好んで遣う子ども”の日頃を観察していると、「関心を引きたい」と思っているのに、なかなか大人がかまってくれない状態が日常的に起こっているケースが多いようです。

 

汚い言葉などを言うと大人たちが反応して自分にかまってくれる、たとえそれが叱られることであっても「かまってもらえる」ことで間違った満足を感じるため、止められなくなることが考えられます。

 

 

これは快か不快かの段階であり、反応の状態ですから「反応(感情)をつかさどる大脳辺縁系」を刺激する片手ちゃんばら、ケンケンなどの動きを十分させてあげてください。そして、好ましい行動をしたときには、しっかりと注目して誉めてあげましょう。

 

 

すぐに泣く

<例3>

“すぐに泣く”これは、発達のピラミッドの一番基礎になる「呼吸」の部分を鍛えています。

 

大声で泣くことで呼吸器が発達し、体幹も整い発達の土台がしっかりします。内臓機能を活発にする手助けになるとも言われています。

子どもが泣くのは「うるさいこと」ではなく、「身体を作っている」と認識することが大切です。回りを気づかうあまり、すぐに泣きやませるため菓子など与えるのは悪循環を招きます。

 

 

 

 

日常で「泣きたいときはしっかり泣く」ということを繰り返していくと、身体も作られ、「泣いてもかまって貰えない」ということを覚え、けじめをつけられるようになります。

レストランなどで、おとなしく座っていられるお子さんは、家族でこのシステムを理解し接しているからかもしれませんね

 

 

チック症状だと気にしてやめさせるのではなく、その行動を子ども自身が飽きるまでやらせることで消えていく場合もあります。

それは、その部分の脳が満足して次の段階に進む手助けとなるということなのです。