子どもがたくましく生き抜くために必要な力とは?

生き抜くために必要な力、それは、計算や読み書きのような知的能力ではない「非認知能力」です。

 

非認知能力とは、自制心・共感力・やりぬく力などの社会情緒的スキルのことで、最近では大学入試においても偏差値に変わって、非認知能力が重要視され始め、世界中でも注目されています。

 

資質や人間性は、学力よりもこの非認知能力によるところが多く、それを育むのはまさに今、保育園に通っている時期なのです。

 

人間の脳は、3才〜5才までに80%から90%ができ上がり9才頃には、自分で認識できる意識の「顕在意識」と無意識の「潜在意識」との間膜が張ってしまうそうです。

それはつまり、無意識にしてしまうことが、そう簡単には直らなくなるということ。

 

 

 

 

その後も脳はゆっくりと育ち100%完成するのが30才くらいだと言われていますから、社会に出てからもしばらくは、失敗をしたりチャレンジしたりしながら脳が育っていく期間があるのは、何となくほっとしますね。

 

非認知能力ってどう育つの?

幼児期に親が干渉しすぎて「誰かが自分のために何かをする」状態が当たり前になってしまうと、成人してからもそれを望むようになってしまいます。

 

そして、社会に出たのち、周りが思うように動いてくれないと引きこもったり、たった1度の失敗で心が折れてしまい鬱状態になったりする高学歴ニートたちなどは、社会問題としてメディアでも取り上げられるようになってきました。

 

非認知能力さえ育っていれば、おそらく乗り越えることができたのかもしれません。

 

 

 

 

では、その非認知能力を伸ばすにはどうすればいいのでしょうか?

大人の価値観をそのまま教えるのではなく、子ども自身から湧き出る

「自分がどう考え、どう行動するか」

を教えることが大切です。

 

大人は次のことを実践してみてください。

・安易に手や口を出さず、子どもの状態をしっかりと見守る

・自発的な思いが形になったり成功した時に、一緒に喜んだり、思いきり誉める

・成功、失敗にかかわらず、頑張った経過を認める

・失敗したときにはくやしい気持ちに寄り添い、挽回できるよう励ます

・間違っていたら、きちんと叱る

 

 

 

 

以前、「叱り方がわからない」というお母さんがいらっしゃいました。

そのお子さんは善悪の理解がうすい生育をしていたため、お母さんの指導とともに保育士がしっかり関わり、本来持っていた素直な感情を取り戻した、という事例がありました。

 

ほめることと、けじめをつけて、いけないことを叱ることは、セットで初めて生きてくるのです。

 

すぐに「ごほうび」と、物を買い与えていませんか?

子どもは、依存と反抗を繰り返し、よい甘えと叱られる(間違いを正される)ことをたっぷり経験し、自立します。

自立するには、やりたいことを自由にさせながらも、間違ったことは指摘されて、軌道修正できる環境で育つことが条件です。

 

よい甘え・・・自分の中から沸き起こった興味・関心から行動する「内発的意欲」を認めてもらえたり、気持ちを汲んでもらえたりして、情緒的欲求が満たされる

 

悪い甘え・・・外から与えられるご褒美目当てで動く「外発的意欲」が満たされる。親は手間や時間をかけず、物質的要求や、子どもの言い分をすぐに聞いてしまう状態。